伝承妖怪お題絵
1ヶ月に1つ、形のない伝承の妖怪に姿を与えるという企画に参加させて頂いています。
2015年 伝承妖怪お題絵 ※画像クリックで拡大します。

イクチ:茨城県の外海に現れた。体の太さはそれ程でもないが、長さが数百丈もある魚であり、これが船の上を通り過ぎる時に体から油を夥しく落とし、掻き出さなければ船が沈んでしまうという。(津村正恭『譚海』) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

ナナカマス:兵庫県城崎郡竹野町奥須井に伝わる。四国から遊びに来ていたお姫様が“ななかます”と呼ばれる海で溺れ死んだ。それからその海を船が通ると亡霊が「伊予や讃岐の者なれど今は住む住むななかます」と悲しい声で歌ったという。(『但馬海岸 但馬海岸地区民俗資料緊急調査報告書』 ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

富山県砺波市に伝わる。サエゾとは腸チフスのことで、これが重症の時には病人の足許に沢山のボン(坊さん)が来て体を押さえたり揺すったりしているという。気力でこれを追い払えれば恢復するという。(林宏『とやま民俗』通巻十一号「砺波地方怪恠譚(二)」)ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

チリモヌ:ザヒモンとも。鹿児島県奄美大島に伝わる。人が死んだ時に、死体の下に敷いたむしろなどに宿るという。また、これに股をくぐられると病気になってしまうという。色は薄黒く、尾は短く、豚の子のようで猫にも似ているという。(名越左源太『南島雑話』) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より
2014年 伝承妖怪お題絵 ※画像クリックで拡大します。

島根県隠岐島に伝わる。「負われる負われる」と嬰児のような声で鳴く怪鳥で、その姿を知るものはないという。またとても重く、これを背負って立ち上がると金持ちになれるともいわれている。(『綜合日本民俗語彙』、『日本妖怪変化語彙』) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

岡山県に伝わる。どこの寺にも境内の何処かにガランという妖魔がいるという。ひどくもの吝み(おしみ)するもので、挿歯(足駄)をはいて付いた土すら吝む程なので、寺は決して歯下駄をはいて入るものではないとされている。(嶋村知章『岡山文化資料』二巻三号「妖怪雑輯」) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

沖縄県に伝わる。モーイという者が夫の洗骨をしていた女を助けた所、恩返しを受けることになった。城への急用の時「なかにしへーい」と呼ぶと、牛の姿となって城へ連れて行ったという。(伊芸弘子『沖縄・首里の昔話』、金城朝永『郷土研究』五巻二号「琉球妖怪変化種目(一)」) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

静岡県熱海市下多賀に伝わる。スマブクロとは脱穀したスマ(フスマ)を入れる麻袋のこと。夜磯(夜の干潮時に磯で採集すること)をすると、自分にかぶさるようにやってくるという。(木村博『民間伝承(六人社)』四十五巻二号「伊豆の妖怪譚」) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

群馬県利根郡水上町湯ノ小屋に伝わる。尾瀬に住むが、オオユウ(大きな洞穴)を中宿にして、各地で悪事をしたという。オオユウの奥へ藤のつるを伝って出入りしていたので、奥に入った所でつるを切られ、外に出られずに餓死したという。(『群馬県民俗調査報告書13 水上町の民俗』) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

岐阜県大野郡丹生川村に伝わる。ドウサイとは蟇のこと。山小屋で夜を明か す杣人たちの所に、行灯の灯で糸車を回す美しい女に化けて現れたという。行灯を鉄砲で撃つと、目に弾が当たったドウサイが死んでいたという。(新田貞子『ひだびと』四巻六号「飛騨の昔話と傳説 丹生川村の昔話」) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より

奈良県吉野郡上北山村に伝わる。麦藁帽を被った子供のような姿で、重さは七、八貫ほどもあるという。楢の木の根返しの所などに現れ 、夜は青い光を放って驚かすが、恐ろしいものではなく、声も出さないという。(高橋文太郎『山と人と生活』) ツイッター @bottle_youkai 瓶詰妖怪より
